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平成17年10月1日より、法人が行う「動産」の譲渡についても、登記により「対抗要件(※)」を具備できる制度が創設されました。
平成22年において、約4700件の登記申請(譲渡・抹消・延長)がなされ、登記された動産の約4分の3が倉庫内の在庫商品などの集合動産(以下「3.」参照)となっています。
今まで動産を活用した資金調達については、動産を譲渡担保として金融機関から融資を受けたり、資産流動化・証券化目的で売却するなどの方法がありました。
その場合、動産の譲渡に関して第三者に対する対抗要件を備えるためには、民法が規定する「引渡」を受けることが必要となります。
しかし、その引渡方法として動産自体は譲渡後も法人の占有下に置かれたままである「占有改定」という外形的には分かりにくい引渡方法が行われるケースがあり、二重譲渡や売却処分が行われる等のリスクがあるために、企業の資金調達の円滑化を困難にしているとの指摘がなされていました。
そこで、今般法人が行う動産の譲渡について、登記によって対抗要件を備えることを可能とする制度が創設されました。これにより、動産を担保とする金融機関等による融資や動産の流動化・証券化による資金調達等、動産の有効活用が期待されます。
※所有権の帰属を争う関係にある第三者に対して、自分の所有権の帰属を主張できるための要件。例えば、2重に売買がされた場合にどちらの売買が優先するかという問題。
法人が動産を譲渡して当該動産譲渡について登記をすると、民法178条の引き渡しがあったものとみなされ、当該動産譲渡につき対抗要件(引渡と同様の効力がある)が具備されます。
対抗要件を具備すると、当該動産に関する物権変動を第三者に対抗できることになります。
そして、この内容を、登記事項概要証明書・概要記録事項証明書・登記事項証明書により公示し、これらの権利関係を確認することができるようにされています。
なお、動産譲渡登記は、動産譲渡の事実を公示するものであって、この登記により動産の存在や所有の帰属を証明するものでないことは、債権譲渡登記と同様です。
ちなみに、不動産については登記により第三者対抗要件を具備することができ、登記簿から当該不動産の権利関係を確認することができます。
「法人が行う」動産の譲渡に限定されますが、その目的となる動産には特に制限はありません。
個別動産(1個の動産)だけでなく、集合動産(例:倉庫内の在庫商品一切)であっても構いません。
動物も動産ですので、牛や豚、養殖魚なども対象となります。実際に、商工組合中央金庫が動産譲渡登記を利用して、農作物や海産物を担保とする新たな融資を実施したことが伝えられています。
動産の譲渡を受けるにあたっては、当該動産がすでに第三者に譲渡されて先に動産譲渡登記がなされていないか、の確認が必要となります。
この場合、まず「登記事項概要証明書」・「概要記録事項証明書」の取得を検討します。
「登記事項概要証明書」は、指定法務局(現在は東京法務局のみ)が交付する証明書です。
「概要記録事項証明書」は、譲渡人の本店所在地の法務局が交付する証明書です。両者の相違点ですが、どちらも誰でもが請求をすることができることが共通しています。
そして、「登記事項概要証明書」は、常に最新の情報が記載され、登記原因や存続期間も記載されるなどの点が、「概要記録事項証明書」と異なる長所です。ただし、譲渡人の商号や本店所在地の変更には対応していません。
一方、「概要記録事項証明書」は、登記原因や存続期間は記載されませんが、譲渡人の旧商号等で交付請求が可能であり、譲渡人の商号や本店所在地の変更があった場合でも、それまでに譲渡人が行った動産譲渡登記の概要がすべて記載された証明書の交付が受けられるという長所があります。
譲受人は、いずれの書面を取得するのか、または双方の書面を取得する必要があるのかを検討する必要があります。
より詳細な内容を知りたい場合は「登記事項証明書」を取得します。
この「登記事項証明書」には、
が記載されることになり、譲渡の内容の詳細な把握が可能となります。
しかし、「登記事項証明書」は、登記事項概要証明書・概要記録事項証明書とは異なり、詳細な内容を開示するために、プライバシーや譲渡人の事業への影響を考慮して、
のみしか交付請求できません。
よって、譲受人としては、
を選択する必要があります。
申請の方法などは債権譲渡登記とほぼ同様と考えて下さい。
譲渡人と譲受人の共同申請です。
動産譲渡登記、延長登記、抹消登記の3種類です。
登記所に直接出頭して申請、郵送による申請、オンライン、事前提供方式による申請の4種類です。
出頭又は郵送により動産譲渡登記(延長登記、抹消登記を除く)を申請する場合は、申請データを記録した磁気ディスク(光磁気ディスク(MO)・光ディスク(CD-R) ※FDは不可)を提出する必要があります。この申請データは、所定の記録方式に従い、所定の記録方式によって作成し、法務省のチェックデータプログラムで形式に誤りがないか確認する必要があります。
詳細は、法務省HPを参照下さい。
一方、オンライン申請の場合は、法務省オンライン申請システムを利用して、申請情報・申請データを入力・作成の上これに電子署名を行い、オンライン申請情報として送信する方法により行われます。磁気ディスクを提出する必要がありません。
事前提供方式は、事前にオンラインで提供データを送信し、別途、申請書や添付書類を法務局に提出するもので、H26に新たに創設されました。
詳細は、法務省HPを参照下さい。
申請書・取下書・磁気ディスクの他に以下の添付書類が必要です。
※1:発行から3ヶ月以内のもの
動産譲渡登記 | 1件につき7500円 |
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延長登記 | 1件につき3000円 |
抹消登記 | 1件につき1000円 |
※1枚の磁気ディスクに記録できる動産個別事項の個数は、1000個とされています
(H23.2.14から100個以内から 1000個以内までに変更)。
出頭・郵送申請の場合は、収入印紙で納付します。オンライン申請の場合は歳入金電子納付システムにて納付します。
司法書士報酬 | 12万円 |
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登録免許税 | 7500円 |
概要証明書取得 | 300円 |
郵送料 | 500円 |
合計 | 12万8300円(消費税別) |
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※契約書作成、データ作成、登記申請までの一連の業務を受託した場合の費用です。
※動産・債権の個数が多い場合は、データ作成料が加算されます。
※交通費、日当が加算される場合があります。
お電話またはメールフォームでの受付後、ご相談日時を調整させて頂きます。お手数ですが事務所までご来所下さい。
ご依頼内容を詳細にお伺いいたします(相談だけで終わっても相談料は不要です)。
面談の際に、登記手続の流れや必要書類のご説明をいたします。
また、事前にお見積額をお知らせいたしますのでご安心下さい。
今後の手続流れやお見積額をご説明します。ご了解頂ければ、すぐに業務に取り掛かります。
事前に登記費用を現金又は銀行振込でお支払下さい。
書類の準備ができましたら、登記申請をします。登記は当日に完了します。
登記関係書類をご郵送により返却いたします。