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創業の活性化や共同研究開発・産学連携の促進等を図るため、出資者の有限責任が確保され、会社の内部関係については広く定款自治に委ねられ、迅速で弾力的な運営が可能となる会社類型が実務界から求められていました。
そこで、出資者の全員が有限責任社員であり、内部関係については民法上の組合と同様の規律(原則として社員全員の一致で定款の変更その他の会社のあり方の決定が行われ、各社員が自ら会社の業務執行にあたるという規律)が適用される「合同会社」が創設されました。
アメリカでの呼称(Limited Liability Company)に倣って一般的に(日本版)LLCと呼ばれます。
なお、類似の制度に、有限責任事業組合(LLP:Limited Liability Partnership)があります(※)。
※LLPとは
会社法ではなく、有限責任事業組合契約に関する法律に基づいた、民法上の組合の特則として認められる事業形態です。出資者の有限責任、内部自治の原則といった特徴はLLCと同様ですが、LLPは法人格を有せず(会社ではない)、従って構成員課税(パススルー課税)がなされるという点にLLPや株式会社との相違点があります。その他以下参照。
様々な能力、経験なども持つ人や法人が集まって共同で事業を行うことが想定されており、「専門家と起業家の共同事業」や「企業間のJV」などでの利用が考えられます。
有限責任という面で低リスクであり、組織としても簡易であることから小規模なビジネスにも活用が期待されていました。会社法施行当初に登記された合同会社を見てみると「信託関係の資産運用の管理会社」的なものが多く、当初の想定とは違った形での利用がされているようです。
「研究開発型の企業」や「ベンチャー企業」などでの活用が増え、平成23年に設立された合同会社(株式会社などからの移行も含む)が約9200社で、平成29年には年間2万7000社の設立が想定されています。最近では「不動産管理法人」として利用されることも多くなりました。
また、株主総会を開く必要がない、決済公告が不要などの点から、株式会社か移行する例も見られました。
合同会社の特徴については以下のように挙げることができます。下記図参照。
株式会社 (譲渡制限あり) | 合同会社 (LLC) | LLP (有限責任事業組合) | |
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出資者の責任 | 有限責任 | 有限責任 | 有限責任 |
法人格 | あり | あり | なし |
内部自治 | LLC・LLPよりは規制あり | 大きく認められる | 大きく認められる |
社員又は組合員数 | 1名で可 | 1名で可 | 2名以上 |
組織再編 | 会社間で可 | 会社間で可 | 会社間とは不可 |
決算公告義務 | 必要 | 不要 | 不要 |
損益分配 | 原則出資額に応じて | 定款で自由に | 組合契約で自由に |
課税 | 法人税課税 | 法人税課税 | 構成員課税 (パススルー) |
設立の際には、株式会社と異なり、公証人による定款の認証が不要です。
また、設立登記時の登録免許税については、株式会社もLLCも資本金の額に7/1000を乗じた金額とする点は同様ですが、、その最低額については、株式会社が15万円なのに対して、LLCの場合は6万円となります。
したがって、仮に1000万円の会社を設立する場合の登録免許税は、株式会社が15万円であるのに対して、LLCが7万円ということになります。
設立登記に関する一般的な必要書類
※合同会社の内部関係については、全ての社員が業務執行社員となるのが原則で、定款上でその制限を認めるという規律が採用されています。
法人が合同会社の社員になる場合には、法律上の原則としては、社員=業務執行社員=代表社員となるので、別途定款等での制限がなければ、その社員たる法人内で担当者を決めて、かつその者について、登記上公示がなされることとなります。
なお、社員の登記事項については、全ての社員が業務執行権及び代表権を有する場合、その業務執行者として氏名又は名称、代表社員としての氏名又は名称及び住所とされています。
司法書士報酬 | 8万円 |
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登録免許税 | 6万円 |
定款認証 | 0円 |
謄本、印鑑証明書 | 3500円 |
郵送料 | 2500円 |
合計 | 14万6000円(消費税別) |
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