相続・名義変更・不動産・相続問題・遺言作成・会社設立・登記などのご相談なら、豊島区東池袋 サンシャイン60のすぐ近くにある司法書士法人小田桐事務所へどうぞ。
営業時間 | 9:00~18:00 |
---|
旧商法の株式会社では、「取締役は3名以上必要で、取締役会、代表取締役、監査役を置くこと」が定められていました。
しかし、小規模・家族経営的な会社にとっては、3名の取締役を置くため親族から名前だけ借りて取締役の登記をしたり、監査役がいても実際は税理士が会社の監査をしているなどの問題が生じていました。
そこで会社法では、それぞれの企業の実体応じて、必要な機関を選択することが可能となりました。
会社に置くべき機関や人数など、設立する会社規模や運営内容を考慮して定めて下さい。
取締役会や監査役も設置せずに、「(代表)取締役1名のみの株式会社の設立」も可能となっています。
具体的には以下のような機関の選択が可能となります。
注:譲渡制限会社:株式は自由に譲渡することができるのが原則です。しかし、会社にとって好ましくない者が株主となり、会社の経営を脅かす危険性もあります。そこで、定款に定めれば会社の承認なしで、株式を譲渡することができない旨を定めることができます。
株式を公開している大会社には当然このような譲渡制限はありません。会社規模をあまり大きくすること望まない中小企業。家族経営に近い会社には、ほとんどこの規定が定められています。
注:大会社:資本金が5億円以上、または負債総額が200億円以上の株式会社。
旧商法の株式会社では、株式会社の取締役・監査役の任期は原則として、取締役2年・監査役4年とされていました。
しかし、小規模家族経営的な会社等にとっては、
との指摘がされていました。
そこで、会社法では、株式譲渡制限会社においては、定款に定めることによって、取締役と監査役の任期を最長10年まで延長することができる様になりました。
このことは、登記手続の手間や費用の削減となります。
一方この任期伸長規定を適用する場合には、以下の点に注意して下さい。
例えば、任期を10年に延長した会社が「任期途中で、ある取締役や監査役に辞めてもらいたい」と考えたとします。
2年や4年任期であれば任期満了をもって円満な形で退任をしてもらうことが可能です。
しかし、当該取締役や監査役に辞める意思がない場合、会社としては「解任」という強行的な手段を取ることになります。
しかし、取締役や監査役を「解任」させた場合に、その解任に「正当な理由がない」と、解任された取締役や監査役から損害賠償を請求される恐れがあります。
役員構成や今後の経営方針に対する考え方などを検討して、任期伸長規定の導入を判断して下さい。
旧商法の株式会社では、定款で株式の譲渡制限に関する規定を置いたとしても、相続や合併などの包括承継といわれる事由による移転の場合には、株式の譲渡を制限できず、会社にとって好ましくない者が株主となってしまうことがありました。
そこで、今回、定款に定めることにより、相続・合併などで移転した譲渡制限株式について、会社は相続人や承継人に対して、その株式を会社に売り渡すことを請求できることが可能となりました。これは、会社の経営の安定や円滑な事業承継に寄与するものと考えられます。
旧商法の株式会社では原則として株券を発行する必要があり、定款で定めれば例外的に株券を発行しないことが可能とされていました。
しかし、今回の改正により、新たに設立される株式会社は、定款に株券を発行する旨の定めを置かない限り、株券を発行する必要はありません。
旧商法と原則と例外が逆となりました。
株券発行が原則不要となり、発行コストの削減となります。
しかし、既存の株券発行会社が、株券不発行会社に移行するためには、定款変更をする必要があるので注意して下さい。
会計参与とは、取締役と共同して、計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類ならびに連結計算書類を作成する会社の機関であり、今回新たに設置を認められたものです。
会計参与を設置することで、会社の決算書の信頼性が向上し、取締役が会社の業務執行に専念できるなどのメリットがあります。
また、会計参与を設置している会社に対して金融機関の融資条件が良くなるなどの話もあるようです。
しかし、会計参与になる税理士や公認会計士にとっては、会社に損害を与えた場合などに重い責任を負うリスクがあり、会計参与に就任することをあまり望まないようです。会社としては会計参与に就任してもらうためには、かなりの高額の報酬を払う必要があるようです。