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動産・債権譲渡登記

1.債権譲渡登記制度は平成10年10月1日に施行されました。

法人がする金銭債権の譲渡等について、登記をすることで簡便に債務者以外の第三者に対する対抗要件を備えるための制度です。

企業の資金需要や債権流動化などの資金調達手段の多様化に伴い、簡便に第三者対抗要件を取得できる制度として注目されました。

申請件数としては、

  • 平成22年には約4万1000件
  • 平成23年には約3万7000件
  • 平成24年には約3万8000件
  • 平成25年には約3万件
  • 平成26年には約3万1000件
  • 平成27年には約3万3000件

の申請がされ、制度としてかなり普及してきています。

東京法務局債権登録課では、企業の担当者が直接申請をする姿も多く見られます。

2.動産譲渡登記制度は平成17年10月3日に施行されました。

金融実務においていは、企業が保有する在庫商品や機械設備など、これまであまり担保として活用されて来なかった動産を活用した資金調達手法として注目されました。

動産譲渡登記がされると、当該動産について、民法1789条の引き渡しがあったものとみなされ、対抗要件が具備されます。

施行当初は、豚や牛などを担保に取る話やABL制度の絡みで話題となりました。

  • 平成22年には約4700件
  • 平成23年には約3600件
  • 平成24年には約3700件
  • 平成25年には約4000件
  • 平成26年には約5800件
  • 平成27年には約7700件

の申請がなされていますが、債権譲渡登記に比べるとまだまだ活用は少ないといえます。
これは動産について「評価」「管理」「換価」などの問題があるためです。

しかし、近年、中小企業の資金調達手段としての活用が増え、新聞などでも取りあげられる機会が増えてきています。

小田桐司法書士事務所では契約書の作成から、データの作成、登記申請までの一連の業務を行っております。

動産・債権譲渡費用の目安
司法書士報酬9万円
登録免許税7500円
概要証明書取得300円
郵送料500円
合計9万8300円(消費税別)

※契約書作成、データ作成、登記申請までの一連の業務を受託した場合の費用です。
※動産・債権の個数が多い場合は、データ作成料が加算されます。
※交通費、日当が加算される場合があります。

登記手続きのご依頼の流れ

面談によるヒアリング

お電話またはメールフォームでの受付後、ご相談日時を調整させて頂きます。お手数ですが事務所までご来所下さい。ご依頼内容を詳細にお伺いいたします(相談だけで終わっても相談料は不要です)。

手続内容説明・事前お見積

面談の際に、登記手続の流れや必要書類のご説明をいたします。
また、事前にお見積額をお知らせいたしますのでご安心下さい。

登記の正式なご依頼

今後の手続流れやお見積額をご説明します。ご了解頂ければ、すぐに業務に取り掛かります。

事前に登記費用を現金又は銀行振込でお支払下さい。

登記完了

書類の準備ができましたら、登記申請をします。登記は当日に完了します。

書類の返却

登記関係書類をご郵送により返却いたします。

1.ABLの概要

近年、「動産・債権等の活用による資金調達手段」として「ABL」という方法が注目されています。

経済産業省金融庁などもこの制度の普及を進めています。

ABLとは「Asset Based Lending」の略で、直訳をすると「資産を基にした貸出」となり、「企業の事業そのものに着目し、事業に基づくさまざまな資産の価値を見極めて行う貸出」という定義がされています。

従来、金融機関が融資の際に評価する資産とは不動産に限られることが多く、債権については債権譲渡登記制度が企業の新たな資金調達手段として活用されていますが、動産は添担保といって不動産担保で不十分な場合の補足的な担保(多くの場合は評価は0円)とされていました。

しかし、ABLでは、企業が保有する「売掛金などの債権」、「商品在庫や機械設備などの動産」などを事業収益資産として評価し、融資に活用します。この手続に際して、債権譲渡登記制度や動産譲渡登記制度が活用されることになります。

一般的なスキームは以下のとおりです。

  1. 借入企業と金融機関が売掛金と商品在庫動産を担保提供することを合意
  2. 金融機関は、動産・債権の担保評価を行い、融資枠を決定
  3. 譲渡担保契約の締結、融資実行、動産譲渡登記・債権譲渡登記の実行
  4. 借入企業は融資開始後、定期的に売掛金や在庫残高などを金融機関への報告
  5. (4)に基づき、金融機関は評価替えなどを実施、融資枠の調整
  6. 金融機関は貸付金の返済を確認

これまでに、ABLが実際に使われた案件例には、以下の様なものがあります。

2.ABLの普及と動産譲渡登記制度

このABL制度の普及に関しては、やはり動産譲渡登記制度がどれだけ利用しやすくなるかという問題があります。

ABL活用のメリットが大きい場面として、

  1. 流動資産に対する資金調達ニーズが大きい場合
    事業の拡大、企業の成長局面、在庫や売掛金を多く保有する状況にある場合
  2. 機械設備などの保有規模が大きい場合
    高価で耐用年数が長い機械設備、償却が済んだ機械などの簿外資産を保有する場合
  3. 業績が一時的に悪化した場合
    通常の資金調達が困難となる場合

とされています。

また、担保活用しやすい動産として

  1. 自動車(登録していないもの)
  2. 鉄・非鉄・貴金属地金
  3. 天然素材
  4. ブランド品
  5. 冷凍水産物
  6. 穀物

などが挙げられています。
お酒、石油、トマトペーストなども特定によっては対象となります。

3.動産譲渡制度の問題点

動産譲渡制度については、占有改定や即時取得などの実体・登記に関係する問題点と、動産の「評価・管理・換価」のシステムが出来ていない問題点とが指摘されます。

後者に関する主な問題点は下記の通りです。

  1. 評価
    動産の評価をどのように判断するのか?多種多様な動産について、速やかに評価額を確定させる方法はまだまだ確立されておらず、国内の評価会社も少ないのが現実です。客観的な評価が速やかに算出できるような、データの蓄積、システム開発が必要とされる点。
  2. 管理
    融資と担保とされる動産を一体的に管理するシステムの構築。ノウハウの蓄積が必要とされる点。
  3. 換価
    債務不履行があった場合、市場で売却して資金回収を図ることになりますが、多種多様な動産についての処分には既存の中古市場だけで足りず、新たな市場の創設も求められています。処分会社・オークション会社など、処分を代行する会社の充実も必要とされる点。

4.今後の動向

まだまだ問題点・改善点が多いものの、日経新聞などでも動産担保融資の記事を多く見掛けるようにはなってきました。

中小企業が融資に活用するまでには時間がかかりそうですが、ABL制度、動産譲渡登記制度の今後の動向に注目したいものです。

 

動産譲渡登記制度

債権譲渡登記制度

1.施行日平成17年10月3日平成10年10月1日

2.登記の対象

法人がする動産譲渡

法人がする指名債権譲渡(金銭債権に限る)

貨物引換証、預証券及び質入証券、倉荷証券、船荷証券が作成されている動産、特別法による既登記・既登録の動産は対象外。

債権者が特定していない将来債権の譲渡も対象。

3.登記の効力

民法178条の引渡しがあったものとみなされる。

債務者以外の第三者について民法467条の確定日付のある証書による通知があったものとみなされ、登記の日付をもって確定日付とする。

 

債権譲渡及び登記について、譲渡人又は譲受人が債務者に登記事項証明書を交付して通知又は債務者が承諾したときは、債務者についても民法467条の通知あったものとみなされる。

注)動産の譲渡の事実を公示するものであって、動産の存在やその所有権の帰属を証明するものではない。

注)譲渡の対象となった債権の存在が公的に証明されるわけではない。

4.登記の存続期間

原則10年以内。但し、特別の事由ある場合は10年を超えることができる。

債務者特定債権:原則50年以内。但し、特別の事由ある場合には50年を超えることができる。

 

債務者不特定の将来債権:原則10年以内。但し、特別の事由ある場合は10年を超えることができる。

5.申請人・申請方式

譲渡人と譲受人の共同申請

譲渡人と譲受人の共同申請

6.登記の種類

動産譲渡登記、延長登記、抹消登記

債権譲渡登記、延長登記、抹消登記

7.登録免許税(H24.3.31現在)

動産譲渡登記 1件につき7500円

債権譲渡登記 1件につき7500円(債権個数5000個以下)

 

債権譲渡登記 1件につき15000円(債権個数5001個以上)

延長登記 1件につき3000円

延長登記 1件につき3000円

抹消登記 1件につき1000円

抹消登記 1件につき1000円

8.登記の方法

登記申請することで、東京法務局の「動産譲渡登記ファイル」に登記事項を記録して行う。

登記申請することで、東京法務局の「債権譲渡登記ファイル」に登記事項を記録して行う。

9.登記ファイルの

記録事項

譲渡人の商号又は名称及び本店又は主たる事務所

譲渡人の商号又は名称及び本店又は主たる事務所

譲受人の氏名及び住所(法人にあっては商号又は名称及び本店又は主たる事務所

譲受人の氏名及び住所(法人にあっては商号又は名称及び本店又は主たる事務所

譲渡人又は譲受人の本店又は主たる事務所が外国にあるときは日本における営業所又は事務所

譲渡人又は譲受人の本店又は主たる事務所が外国にあるときは日本における営業所又は事務所

登記原因及びその日付

登記原因及びその日付

 

譲渡債権の総額(既発生債権のみを譲渡する場合に限る。)

譲渡動産の特定に必要な事項

譲渡債権の特定に必要な事項

登記の存続期間

登記の存続期間

登記番号

登記番号

登記年月日

登記年月日

10.登記事項証明書等の交付請求権者

登記事項全部証明書:動産譲渡の当事者、利害関係人、譲渡人の使用人に限る。

登記事項全部証明書:債権譲渡の当事者、債権譲渡の債務者、利害関係人、譲渡人の使用人に限る。

登記事項概要証明書:制限なし

登記事項概要証明書:制限なし

概要記録事項証明書:制限なし

概要記録事項証明書:制限なし

11.法務省HP

動産譲渡登記

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